リミューアル後の生態展示が素晴らしいと評判のときわ動物園(山口県宇部市)に行ってきました。
宇部線常盤駅から徒歩10分くらい。まずは公園正面口から一番近い石炭記念館へ。
宇部興産東見初炭鉱の竪坑櫓を移植した展望台と厚狭機関区所属で美祢線の貨物列車を牽引していたD51 18号機。
残念なことに館内は撮影禁止でした。再現坑道が面白かった。
1時間ほど見学してときわ動物園へ。
小さな動物園なのですが,リニューアルによってとても素敵な展示になっていました。ライオンやゾウなどの大型の個体はいませんが,中小型の猿類を中心に充実した展示がなされています。
1時間とか30分とかごとに飼育員によるガイドトーク(餌の時間を兼ねている)があるので,これを中心に巡りました。
順路の最初はアジアの森林ゾーン。
猿団子を作るトクモンキーとボンネットモンキー。数日前に積雪した形跡が園内のあちこちにありました。
ちょうど時間だったのでコツメカワウソのガイドトークから。今日の餌は鶏のささみ。飼育室からつながる外のプールはボンネットモンキーの放飼場の一部にあります。混合飼育ですね。
次は順路を少し戻ってシロテテナガザル。
島状の放飼場には大きな木が立っていて,枝から枝への腕わたりによるダイナミックな高速移動が見えます。寒いのにアクティブでした(速すぎて撮影できない)。島とねぐらが2セットあり,2群が飼育されていました。
妙に人間っぽい動きが面白い。類人猿ですねぇ。
次は中南米の水辺ゾーン。
とても仲良しのベニコンゴウインコのペアと時々ケンカしているルリコンゴウインコのペア。飼育員のガイドトークでは,これから暖かくなってきたら巣箱を入れて繁殖を目指す,とのことでした。
今は寒いので外にほとんど出ていないリスザル。餌はカットフルーツなど。飼育員のガイドトークでは,野生環境では餌の70%くらいが動物なのだと聞きました。なので動物園ではミルワームなども餌として与えているそうです。そしてこのリスザルは放飼場で野生のスズメを捕まえて食べた実績の持ち主だそうです。スズメ捕まっちゃうんだ。油断したんだろうか。
カピバラお父さんと男の子たち。好き嫌いはやはりあって,ニンジンは後回しにしがちなのだけど結局は食欲に負けて全部食べちゃうとのこと。カピバラの向こうに見える島はリスザルの放飼場。ここも混合飼育。
鼻の上にある盛り上がりは大人のオスの証。ここから出る乳液をあちこちになすりつけて縄張りをアピールするそうです。カピバラお母さんと女の子たちは別の放飼場で飼われていました。
口先から伸びるミミズのような細長いものはミナミコアリクイの舌。野生ではベトベトの唾液でアリやシロアリを舌に絡めとって食べます。ここでの餌はキャットフードやフルーツ,野菜などをミキサーでペースト状にしたもの。暖かいシーズンでは放飼場で野生のアリを食べたりもしているそうです。体型からは想像しにくいのですが木登りが得意で,しばらく後に見に行ったら天井近くの木の上で昼寝していました。
次はアフリカの丘陵 マダガスカルゾーン。
暖房の前で暖をとるワオキツネザルと穴を掘りまくるミーアキャットと木の上でまったりするブラッザグエノン。毛並みが美しい。
最後は山口宇部の自然ゾーン。
ホンドタヌキは何回か見に行ったのですが,ずっとこちらにお尻を向けて寝ていました。
出口から出た先にミュージアムショップと体験学習館。生物多様性と外来生物の展示は,現代の動物園には欠かせない展示になってきたようです。
というわけで,ときわ動物園は昔の動物園によくあった,コンクリート床の放飼場で動物が一定ルートを往復し続ける(常同行動),という展示とは一線を画した素敵な動物園でした。
ときわ公園 #2 ときわミュージアム,UBEビエンナーレ彫刻の丘 に続く
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