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cloud9science

ワタクシ@yu_kuboが見てきたこと作ったもの思ったことなどのメモ置き場

黒部ルート見学会

昨年,立山黒部アルペンルートを訪問するにあたっていろいろ調べたときに,黒部ルート見学会というものを知りました。

 

www.kepco.co.jp

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www.alpen-route.com

 

立山黒部アルペンルートは,黒部ダムを介して長野県側扇沢駅富山県立山駅を結ぶ観光ルートです(信濃大町駅富山駅の間とする例もあるようです)。扇沢駅黒部ダムを結ぶ関電トンネル(建設当時の名称は大町トンネル)は,関西電力黒部ダム建設のために掘ったトンネルで,現在は立山黒部アルペンルートの一部になっています。そこから先,黒部ダムから黒部川の右岸地下には関西電力専用のトンネル,黒部トンネルがあります。こちらは黒部ダムからの水を受けて発電する黒部川第四発電所建設のために作られたトンネルです。現在は発電所維持のための人員や機材の運搬に使われています。立山黒部アルペンルートと違って黒部トンネルは一般には解放されていないのですが,黒部ルート見学会に参加することで,ここに入ることができるのです。参加者定員は年間で2000人ほど。抽選倍率は3倍から10倍。何年かかるかわかんないけど当たるまで毎年応募しようと思っていたのですが,それが幸運にも応募1回目にして当選してしまったのでした。

うひょひょー!

 

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上記画像は黒部川電気記念館のパンフレットからトリミング&引用。

 

私が当選したのは2016年度の最終開催日,10月14日の黒部ダム出発コース。集合場所は黒部ダム駅 駅長室前,集合時間は10時30分。前日に信濃大町駅前の旅館に泊まり,路線バスとトロリーバスを乗り継いで朝8時過ぎには黒部ダムに到着。紅葉シーズンで客が多くて席に座れなかった。

 

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めっちゃいい天気。集合時間までダム周辺をあちこち歩く。 ダム建設工事の殉職者171名のプレートと慰霊碑を,思いを込めてじっと見る。

 

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参加者は30人(当日はこのほかに30人が欅平駅出発コースに参加しています)。関係者専用ドアから奥に入って,身分証のチェックと金属探知機によるボディチェックを受けてヘルメットを受け取る。関西電力の担当者から今日のコースの案内とルール説明。写真撮影は可だけど動画撮影は禁止。これは参加者の安全を確保するためのルールのようです。

 

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関電トンネルを黒部ダム駅から少し扇沢駅方向へ歩いた分岐点に待機しているバスに乗る。これは普通の観光バスのように見えます。ここから10.3kmの黒部トンネルがスタート。バスで隣の席のお兄さんに聞いたら,3年前から応募し続けてようやく当選したとのこと。普通はそうだよねぇ。

 

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黒部トンネルに並行して黒部ダムから発電所につながる水圧鉄管のトンネルもあるそうです。黒部トンネルは基本的にバス1台分の幅しかありませんが,ところどころにすれ違い用の場所があり,その他に山腹とつながる横穴への分岐点もあります。そのひとつでバスを降りて見学。

 

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こちらは通称,裏剱(うらつるぎ)。雪渓の白い輝きが美しい。登山者しか見ることができない眺めです。関電の担当者曰く,今年度の黒部ルート見学会で最高の天候ではないかと。

 

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作廊谷(インクライン上部)に到着。黒部トンネル内にすれ違い場所はありましたが,現在は全線単線として運用されているみたい。

 

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インクライン(貨物用ケーブルカー)の中間点で欅平駅出発コースのグループとすれ違い。インクライン上部(標高1325m)から傾斜角34°,標高差456mを降りたら黒部川第四発電所前駅(標高869m)。地下150mの発電所内を見学。

 

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手前側が4号発電機。ランプの付いていない一番奥の1号発電機以外は稼働中。

 

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轟音とともに回転するシャフト(360rpm)。ひとつ上のフロアの発電機とひとつ下のフロアの水車をつないでいます。コントロールルームは無人ですが,これは富山市内から遠隔操作されているから。応接室には建設に使われた機械式計算機や肩掛け式携帯電話などの展示にまじって,2002年の紅白歌合戦での中島みゆき生中継の関連展示も。会議室で持参したお弁当を食べるなど。

 

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続いては関西電力黒部専用鉄道上部軌道に乗車。バッテリー駆動の機関車に貨車1両と客車5両の編成ですが,後部の客車3両が私たち見学者用,残りの2両は本来の利用者である関西電力関係者が大きな荷物を抱えて乗っていました。

 

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出発して5分くらいで仙人谷駅に停車。ここは黒部川に架かる橋の上です。屋根が付いており冬の間に閉じられるような窓もあります。窓から上流側には仙人谷ダム。ダムの堰堤上部は登山道のルートになっていて,ちょうど一人の登山者が歩いて渡っているところでした。ここから上流側の登山道日電歩道,下流側のは水平歩道という名前がついています(リンク先の画像をぜひ見てください。すごいところです)。しばらく見学の後に出発。

 

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 出発後に通過するのが吉村昭の小説「高熱隧道」で有名な場所。1940年に開通しましたが,工事中は岩盤温度が165℃にも達する過酷な現場で,300人以上の殉職者を出した難工事でした。ちょうどその辺りで徐行運転するとともにドアを開けてくれましたが,現在では随分温度が下がり,ほんのり暖かさを感じる程度でした。壁には一面に黄色い硫黄の結晶がびっしり。ちなみに私たちが乗っている客車は特殊な耐熱仕様のもの。乗車時には,念のために防毒マスクの使い方説明もありました。

 

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黒部川第四発電所から6.5kmのトンネルを通って欅平上部駅に到着。ここからトンネルを少し歩いて展望台へ。欅平上部へは,昨年参加したパノラマ展望ツアーで来たことがあります。

 

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展望台から上流側に見えているこの岩盤は,1938年12月27日に84人の作業員が亡くなった現場。この岩盤から2つの谷を挟んだ向かい側にあった作業員宿舎が泡雪崩によって600m吹き飛ばされ,尾根をひとつ越えて激突した結果がこのような地形を作っているいるのです。現在ではロッククライミングのメッカになっているのだとか。

 

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欅平上部駅(標高800m)から竪坑エレベーターで200m降りると欅平下部駅(標高600m)。ここからまた列車で移動。数百メートルほど上流方向に進むと行き止まり。ポイントを切り替えてスイッチバックで数百メートルほど下流方向へ行くと黒部峡谷鉄道欅平駅。上の写真,機関車の次位に連結された貨車は,黒部川第四発電所前駅から私たちが乗った列車に連結されていた貨車で,私たちが展望台を見学している間にエレベーターでおろしたものです。黒部ルート見学会はここで解散。標高1470mの黒部ダム駅から標高599mの欅平駅まで降りてきました。

いやーとてもよかったー。関西電力の担当者のみなさま,ありがとうございました。

なかなか当たらないという黒部ルート見学会に1回目の応募で当たってしまい,運を使い果たした気がしないでもない。

吉村昭の「高熱隧道」読まなくちゃ。木本正次の「黒部の太陽」も読みたい。

 

 

 

・・・と,ここまで書いてきて衝撃の事実発覚。ダムライターの萩原雅紀さんがデイリーポータルZに黒部ルートの記事書いてたのを2013年10月にブクマしてた。

portal.nifty.com

 

さらにさらに。2012年11月には木村岳人さんの黒部峡谷下ノ廊下訪問記事もブクマしてた。

portal.nifty.com

 

ああ・・・わが貧弱なる記憶よ・・・

 

 

 

その他の写真はこちら↓

2016-10 kepco kurobe route | Flickr

2016-10 omachi alpine museum | Flickr

2016-10 lake unazuki | Flickr