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原生生物フェスティバル2016岡山

原生生物フェスティバルに参加してきました。

 

原生生物とは,動物,植物,菌類以外の真核生物のグループです。単細胞の真核生物と多細胞真核生物ではあるけど構造の単純なものが含まれています。単系統群ではないので分類学上の正式な分類群ではなく,便宜的なグループです。

 

原生生物フェスティバルは西日本を中心に2010年から開催されているイベントで,原生生物の研究者と原生生物を使った教育関係者(小中高の先生)による集まりだそうです。Twitterのタイムラインに開催を知らせるtweetが流れてきたので出かけてきました。今年は岡山大学で開催されている原生生物学会と共催で,一般向けイベントとして開催されたようです。

 

会場の岡山大学津島キャンパスは,岡山駅から津山線でひと駅の法界院駅から徒歩10分ほど。

 

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こちらはミドリヒドラヒドラ刺胞動物(クラゲやイソギンチャクの仲間)ですが,緑藻を共生させているので緑色です。

 

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先着順で原生生物トランプをいただきました。

 

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会場は岡山大学の学生実験室。20台ほどの顕微鏡が並んでいます。

 

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瀬戸内海ですくってきたプランクトン。

 

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これがウミホタル。つつけば光るかな。

 

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こちらはミドリマヨレラ。共生藻をもつアメーバです。動画ではアメーバ運動や原形質流動で緑藻が流される様子がよくわかります。

 

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正の光走性で光源に集まるボルボックス

 

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動画では,右回りにドリルのように回転しながら泳ぐ様子がわかります。その場にいた,研究者の方に聞いてみたのですが,左回りに回転する個体は見たことがないそうです。遺伝的に決まっているだろうだから,左利きがどこかにいてもおかしくないような気はしますが。

 

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モジホコリは迷路を解く微生物としてニュースになりましたね。

賢い変形菌モジホコリ - サイエンスあれこれ

 

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いろいろ見せてもらった中で一番びっくりしたのがこちら,スピロストマム。3mmくらいの長さがありますが単細胞のゾウリムシの仲間。こんなのがいるんだ。

 

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ショックを与えると瞬間的に縮みます。進行方向後ろ側の透明になっている部分は収縮胞。時々バックします。サンプルを提供された先生の話では,障害物に突き当たるとバックし,少し角度を変えてまた前進するのだそうです。その際は常に同じ方向に角度を変えるのだとか。これも遺伝的にプログラムされているみたい。

 

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こちらはミドリゾウリムシ。緑藻が共生したゾウリムシです。

 

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こちらはクロロゴニウム。緑藻類の仲間で,ミドリゾウリムシの餌だそうです。

 

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原生生物の分譲コーナー。

 

そして後半はスマホ顕微鏡ワークショップへ。

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材料はガラス玉(φ1mm),プラ板(5×2.5cmを2枚),練り消し,セロハンテープ。その他に,微生物を触るためのまつげスティック(爪楊枝の先端にまつげを接着したもの)を作りました。

 

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まつげスティックで微生物をつついたりかき集めたり。

 

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自作したスマホ顕微鏡を目にピタッと当てて微生物を見ることもできます。この場合は,サンプルを小さいチャック付きビニール袋に入れ,レンズと重ねて目に当てるようにします。思いの外くっきり見えてびっくり。

 

その後に開催された,原生生物学会若手の会 シンポジウム「原生生物のフシギ」にも参加してきました。

 

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一人目の演者は東北大学鹿毛あずさ先生。緑藻クラミドモナスは負の重力走性(上方向に移動する性質)を示します。それにより対流が発生し,その過程で相変異が起こります。味噌汁のベナール対流そっくり。そのメカニズムについての話でした。

 

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二人目の演者は東京大学の笠田実先生。典型的な被食捕食関係では,被食者の個体数は周期的に変化し,捕食者の個体数もそれを追いかけるように周期的に変化します。しかしこれは被食者の遺伝的多様性がない場合であり,被食者に遺伝的多様性があればその個体数は一定に維持されるのに捕食者の個体数は周期的に増減する場合もあるというのです。そして一定数を維持している被食者の中では,遺伝子頻度の変化が起こっている=進化が起こっている,という話でした。

 

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三人目の演者は福井工業大学の柏山祐一郎先生。クロロフィル光合成色素です。これは光合成には欠かせない分子なのですが,これを食べるとクロロフィルによって活性酸素が発生するので,捕食者にはこれを無毒化する代謝経路があります。その能力をもつ生物を系統樹上にプロットすることで,どの進化の過程で獲得された能力なのかを明らかにする,という話でした。

 

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 さてさて。飼う生物をことごとく死なせてしまうことで定評のある私ですが,今回,いくつかの原生生物をいただいてまいりました。比較的飼いやすいというアドバイスに従い,緑色の連中にしました。

 

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培養液はボルビック+0.2%ハイポネックス。ホントは0.1%がいいと聞いてきたのですが,わが家にある秤ではグラム単位でしか測れないので,500mLのペットボトルに1gのハイポネックスにしました。そして水はなぜかボルビック推し。南アルプス天然水ではなくてボルビック。エビアンでもなくてボルビック。

ミドリヒドラ用にブラインシュリンプも用意。

うまくいきますように。

 

 

 

その他の写真はこちら↓

2016-10 protist festival | Flickr